(社)不動産証券化協会(ARES)は23日、企業の財務・経営企画担当者を対象に「第1回CREマネジメントフォーラム 企業価値向上とCREマネジメント」を開催した。
CRE(Corporate Real Estate)とは企業の保有不動産のこと。
同フォーラムは、企業価値向上のため、企業が事業や財務戦略の一環として保有不動産を戦略的にマネジメントする「CREマネジメント」について紹介するもの。
基調講演では、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の川口有一郎氏が「企業価値向上とCREマネジメント」と題し、企業が競争優位性を保つためのCREマネジメントについて解説したほか、「法律事務所によるCRE関連サービスの米国における事例」についてジョーンズ・デイ法律事務所・弁護士の鈴木正具氏が、「M&AとCRE」についてTOKYO企業情報(株)代表取締役社長の古川英一氏がそれぞれ講演した。
また、後半に行なわれたパネルディスカッション「CREマネジメントの現状と今後の展望」では、モデレーターに(株)KPMG FASディレクターの加藤淳哉氏を向え、基調講演・講演に立った3氏により、地価上昇局面における企業の保有不動産動向といったさまざまな話題について論議が重ねられた。
なお、国土交通省では、資産総額約2,300兆円ある日本の不動産のうち、法人が所有する不動産は490兆円に上るとしており、前出・川口氏は「この490兆円のうち約100兆円はオフバランス化され、バリューアップされる可能性がある」と指摘している。