東洋大学は20日、岩手県紫波町との間で「公民連携(Public-Private Partnership、以下PPP)」によるまちづくりについての提携に合意し調印式を行なった。
同大学は2006年4月、PPPの日本における活用と展開を目的に同大学院経済研究科に「公民連携専攻」を立ち上げ、基礎的な教育研究活動を展開。具体的なPPPプロジェクトの実践に向け、地方自治体と連携する「地域再生支援プログラム」の準備を推進してきた。
同プログラムは、PPPプロジェクトの経験豊富な教員等との連携関係をベースに、“最小の財政負担で最大限の公共的目的を達成すること”をコンセプトに進められるもの。
今回、その第1号として、紫波町が保有するJR「紫波中央」駅前約11haの公有地をPPP手法により整備し、開発を推進するべく調査・アドバイス等をしていく。
PPPとは、官、民、市民、大学などが連携し共通の目的を実現することで、地域社会のインフラ整備、公共サービス、公有地活用を民間が行なう場合が多い。「地域を変える世界の標準」として米国、欧州ほか、世界各国で活発に活用されており、日本でもPFI、まちづくりなどで活用されている。
紫波町は、岩手県中央部で盛岡市の南に隣接する、人口3万4,000人の町。調印式に臨んだ藤原 孝町長は「年々人口の増加率が下がっており過疎化対策においても公共用地の活用・整備が必要と考えた。PPPのまちづくりの推進を行ない、町民の理解を得ながら、公と民の良い所を生かしつつプロジェクトを進めていきたい」と語った。
今後、大学院の教員および社会人が中心となり、PPP手法による開発の可能性、コンセプト・スキームを調査し、2007年夏に基本報告書をまとめる予定。公有地では、新しい町舎、図書館、広域給食センターなどの整備を予定している。