(社)不動産流通経営協会(FRK)の新理事長に就任した岩崎芳史氏(三井不動産販売(株)代表取締役会長)が24日、専門紙記者と会見し、今後の事業展開などについて抱負を語った。
岩崎氏は「アメリカでは、既存住宅戸数が世帯数を上回り、各州ばらばらだった不動産情報の一元化が図られた1995年ごろから、不動産流通市場が急拡大している。日本は現在、その当時のアメリカと同じ環境にある。良質なストックが積みあがり、既存住宅取引量が約50万戸まで拡大し、まさに不動産流通の『夜明け』を迎えている。この夜明けを『午前』にし、『昼間』にすることが、われわれの使命。ライフスタイルの変化、景気の回復、税制の支援など流通拡大のバックグラウンドも整っている。協会会員の取引の精度を高め、ユーザーが安心・安全な住宅を取得できる環境作りを目的とした事業を展開していきたい」などと抱負を語った。
今年度以降の具体的な事業展開については、(1)公益法人改革を念頭に置いた一般ユーザー向け啓蒙・研修事業の強化、(2)金融商品取引法など不動産証券化に関連し、不動産流通業者として求められる知識やコンプライアンスのあり方の追求、(3)他業界と連携したユーザーサービスを向上させる仲介周辺事業の研究、(4)指定流通機構の次期システムについての検討、(5)インターネット物件公開サイト「ホームナビ」の次期システム構築などを挙げた。
懸案となっている指定流通機構問題については、「すでに、関連4団体・4機構の間で、ばらばらだった物件情報の一元化を図るという方向性が決まっている。組織をどうするかという問題より先に、早期に情報の一元化を図り使いやすいシステムにするという意義が何より大事」とし、4機構の統合などについては「時期尚早」との認識を示した。