国土交通省は8日、「平成18年度土地に関する動向 平成19年度土地に関する基本的施策」(平成19年版土地白書)を発表した。
同書では不動産金融商品化の進展などによる土地市場の構造変化の下、利便性や収益性の高い地域での土地需要が増加していることや、投資市場の活発化により三大都市圏や地方ブロック中心都市の地価が上昇していることを明示。
また、個人や企業の意識が利用価値を重視するものに変化していると指摘。情報の提供などにより、利用価値に応じた合理的な価格を形成し、市場の透明性・公正性を向上させていくことの重要性などについても触れている。
その他、以下の点に関しても明示している。
●Jリート等の動向
上場企業の不動産取引のうち、JリートまたはSPCが買い手となる割合が年々増加しており、平成18年度の売買価格ベースでは購入主体の約7割を占めている。
また、対象物件の主な用途では住宅の割合が増加するなど多様化しつつあり、取得地についても東京都心だけでなく地方圏でも取得が進んでいる。
●取引価格等の情報の整備・提供について
三大都市圏の政令指定都市等における土地等の取引当事者に対して、価格の調査を実施し、個別の物件が特定できないよう配慮して取引された土地等の価格をインターネット上で公表している。
また、不動産インデックスの整備や地籍調査の推進などの必要性についても明記されている。
●人口減少社会における各地域の土地利用の課題と取組みについて
区画整理で飛び換地、申出換地などによる業種業態別ゾーニングを行なった「四番町スクエアまちづくり(滋賀県彦根市)」などを事例として紹介している。
また、平成19年度土地に関する基本的施策として、都市の再構築などを行なう「低・未利用地等の有効利用の促進」や、優良な宅地供給の推進等による良好な居住環境の形成などを行なう「宅地・住宅対策の推進」、地籍調査などの土地情報の整備を行なう「土地に関する情報の整備」などを盛り込んでいる。