国土交通省は19日、建築物防災期間(8月30日~9月5日)に行なった建築物に関する各種調査結果を発表した。
「民間建築物における吹付けアスベストに関する調査」では、調査対象となる昭和31年から平成元年までに施工された民間建築物のうちおおむね1,000平方メートル以上の大規模な建築物、25万3,132棟のうち、露出してアスベストの吹付けがされているのは、1万4,774棟となり、前回(07年2月14日時点)の調査時より116件の減少であった。
ガラスの落下による災害の危険性の高い地域内における昭和54年3月31日以前に着工された建築物で、地階を除く階数が3以上のものを対象とし、対象建築物の道路、避難路などに面しているはめ殺し窓ガラスの設置状況などの調査した「既存建築物における窓ガラスの地震対策に関する調査」では、告示の基準に適合していない建築物の数は、1,220棟(前回1,226棟)とほぼ同数であった。
改修済みの建築物の数もほぼ前回調査(642棟)と同じ、663棟、改修予定の建築物の数は、67棟(前回72棟)であった。
地階をのぞく階数が3以上であり、竣工後おおよそ10年以上経過したもので、外壁タイルなどが落下した場合危害を与える恐れのある部分に傾斜した外壁をもつものを対象に、外タイル張り、モルタル下地吹仕上げなどの外壁の落下の危険性を調査した「既存建築物における外壁材の落下防止対策に関する調査」では、落下のおそれがあるとされた建築物の数は933棟(前回928棟)で、落下防止対策済みの建築物の数は518棟(前回477棟)であった。
体育館、屋内プール、劇場、ホール、空港などターミナル、展示場のつり天井などを対象に、クリアランスの状況や振れ止めの設置の有無などを調べ、屋根の落下の危険性を調査「大規模空間を持つ建築物の天井の崩落対策に関する調査」では、技術指針と比較して問題のある建築物の数は4,911棟(前回4,858棟)であった。調査対象の建築物2万1,492棟(うち報告は2万1,673棟)のうち、およそ4分の1が問題のある建築物であるという結果となった。
今後、それぞれ問題を抱える建築物の所有者などに対し、指導をするよう地方公共団体に要請していく。