三井不動産(株)は30日、2008年3月期決算発表会を開催した。
当期(07年4月1日~08年3月31日)の連結売上高は1兆3,600億2,300万円(前期比10.6%増)、営業利益1,792億8,200万円(同10.8%増)、経常利益1,628億3,500万円(同14.4%増)、当期純利益873億7,800万円(同16.2%増)。営業利益は2期連続、経常利益は5期連続、当期純利益は3期連続の過去最高益を更新した。
「賃貸」セグメントでは、「東京ミッドタウン」(東京都港区)や首都圏4ヵ所の大規模商業施設の通期稼働による増収に加え、三井不動産アメリカにおけるオフィスビル賃貸事業も好調に推移し、営業収益4,690億円、営業利益906億6,600万円を計上した。
首都圏のオフィスの空室率も1.3%と低水準で推移し、「タイトな需給状況を反映する結果となった」(同社経理部長・弘中 聡氏)としている。
「分譲」セグメントでは、マンションの計上戸数が5,249戸(前期比762戸増)と大幅に増加したことに加え、投資家向け分譲も売上に寄与し、営業収益3,822億6,600万円、営業利益578億900万円となった。
「仲介・販売受託・コンサルティング」セグメントにおける仲介事業では、年度後半にサブプライムローン問題等の影響を受けたものの、おおむね順調に推移し、営業収益842億6,900万円、営業利益265億9,500万円を計上した。
弘中氏は、「地方で足の遅い物件はあるものの、全体から見ればほんの数%のため問題はない。また、現在アメリカにおいて、資産規模400億円ほどのファンドを組成する準備を進めている」と語った。
09年3月期の連結業績は、「賃貸」セグメントにおいて、「グラントウキョウノースタワー」(東京都千代田区)等の通期稼働や既存物件の賃料上昇を見込むほか、「分譲」セグメントでは、三井不動産レジデンシャルの住宅分譲事業において、計上戸数の増加・戸当たり単価の上昇による増収増益を見込むとし、売上高1兆5,300万円、営業利益2,000億円、経常利益1,750億円、当期純利益950億円を予想している。