国土交通省は5日、「信託法の改正等を踏まえた新たな土地利用・管理手法に関する研究会」報告書を公表した。
同省では、人口減少等により、管理が行き届かなくなる土地の増加が懸念されることを踏まえ、有識者や実務者から構成される「信託法の改正等を踏まえた新たな土地利用・管理手法に関する研究会」を開催。同報告書は、まちづくりのための信託活用、コミュニティ財産の管理のための信託活用など、これまで信託が用いられてこなかった分野について、その活用の検討を行ないまとめたもの。
報告書では、緑地や地域公益施設の保全のための信託については、目的信託および公益信託を想定して検討。目的信託については、公益信託と比べた場合の税負担のあり方や、信託財産にかかる受益者責任のあり方、信託期間の上限の定めなどがその活用にあたっての検討事項であるとした。
公益信託については、さらなる活用には、公益と認められる範囲、受益行為の範囲、信託財産にかかる金銭限定などの引き受け許可基準の内容が検討事項であるとしている。
また、多数の入会権者が存在する入会地にかかる信託については、信託登記が登記実務上、困難であるとした。そのほか、住民共有財産については、自己信託の用いた財産管理について検討を行なったが、自己信託については信託法で規定されているものの、まだ施行されていない類型であることから、普及のためには実務上のノウハウの蓄積、受益者が50人以上の場合の信託業法上の内閣総理大臣への登録のあり方などを検討していくことが必要としている。
詳細は同省ホームページ参照。