旭化成ホームズ(株)は、戸建て住宅用量産システムとしては初めて、地中熱と冷房排熱を給湯熱源に利用する「地中熱ヒートポンプ給湯・冷暖房システム」を開発、来年1月をめどにヘーベルハウスの設備仕様として発売すると発表した。
同社では、2004年7月から地中熱利用のヒートポンプ冷暖房システムの販売を行なってきた。しかしこのシステムと合わせて、オール電化住宅の普及とともに、給湯システムにエコキュート(ヒートポンプ式給湯機)が採用されるケースが増加。、この2つがまったく別のシステムであるため、スペース・コストともかさむ要因となっていた。
そこで、機能集約によるコストダウン、省スペース化を図るために、冷暖房・給湯熱源ともに地中熱とした「地中熱ヒートポンプ給湯・冷暖房システム」の開発を、北海道大学大学院工学研究科・長野克則教授の協力のもと、日立アプライアンス(株)・(株)日立空調SEとともに進めてきたもの。
今回開発した地中熱利用ヒートポンプ給湯・冷暖房システムは、ヒートポンプ式給湯機を、地中熱暖房と組み合わせ、給湯熱源を空気から地中熱に変更したもの。これにより、ヒートポンプ式給湯機の省エネ性をさらに高めることに成功。また、夏期の給湯では、従来地中に捨てていた冷房排熱を、給湯熱源として利用することで、さらに省エネ性能を高め、冷暖房・給湯のトータルランニングコスト、CO2排出量の低減を図った。
なお、同社がこれまで販売してきた「地中熱利用冷暖房システム」は、導入に330万円程度のコストがかかることもあり、なかなか普及が進まなかったが、今回の「地中熱ヒートポンプ給湯・冷暖房システム」では、250万円と価格を圧縮することに成功。NEDO((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金制度を利用すれば、現制度で設置費用の3分の1の補助が受けられるという。
今後、2009年度上期をめどに、旭化成ホームズの販売するへーベルハウスへの仕様搭載で検討を進め、11年以降、他社商品への搭載を含めた拡大販売を予定している。販売価格期は、導入初期は1システム約250万円、拡販にあたっては量産化によるコストダウンを図り、1システム約220万円で販売していく予定。