三鬼商事(株)は10日、2008年9月末時点の東京・大阪のオフィスビル市況を発表した。
東京のビジネス地区の平均空室率は4.07%(前月比0.21ポイント増)で、2年9ヵ月ぶりに4%台に戻った。同空室率は、2月から8ヵ月連続で上昇しており、都心5区では空室在庫の増加傾向が続いている。9月は借換え移転に伴う大型解約などが相次ぎ、この1ヵ月間に募集面積が約1万4,000坪増加。移転動向についても、オフィスを縮小する動きが出てきており、オフィスコストを重視する動きが主流になっている。このような状況のなかで、募集に際して柔軟に対応するケースが多くみられる結果となった。
また、中型・小型ビルのオフィス市場でも平均空室率が4%台半ばまで上昇。中型ビルの9月末時点の平均空室率は前年同月比で4.44%(同1.15ポイント増)。小型ビルの9月末時点の平均空室率は前年同月比で4.56%(同1.04ポイント増)となり、大型ビル同様に、中型・小型ビルのオフィス市場でも募集面積の増加傾向が鮮明となっている。
大阪ビジネス地区の平均空室率は5.89%で、前月比0.14ポイント上昇した。空室率の上昇は11ヵ月連続。梅田地区と南森町地区、淀屋橋・本町地区で募集開始や解約予告などの動きが出て、募集面積が増加。これにより、大阪ビジネス地区全体の空室在庫がこの1ヵ月間で約2,900坪増加した。前年末に比べて大阪ビジネス地区の空室面積は約2万5,000坪増加しており、大阪のオフィスビル市況の先行きにも不透明感が出てきたとしている。