(財)住宅生産振興財団は23日、日本経済新聞社と共催で、第20回の住生活月間協賛・まちなみシンポジウムを開催した。
今回のテーマは「都市と住まいの生態系」。第一部では、東京大学名誉教授の月尾嘉男氏が「自然・伝統と共生する都市環境」と題して講演。「経済力格差、地域格差と、格差の拡大が現代日本の問題となっているが、『格差』はなく『差異』と見れば、チャンスはある」とし、成功している地域振興策や、地方で成功しているビジネスなどを紹介。そのうえで、「人としての幸せを考えれば、経済成長のみを追求するのがベストではないはず。まちづくりにあたっても、文化や幸福を求めて策を練る、そういった視点で考えてもいいのではなかろうか」と話を締めくくった。
続く第二部では、同財団が開催している「住まいのまちなみコンクール」で国土交通大臣賞を受賞した受賞団体(管理組合や運営委員会など)の代表者によるパネルディスカッションを実施。まちなみ保全のための取組みや苦労、美しいまちなみを維持することでの効果などについて意見が交わされた。