東京建物不動産販売(株)は17日記者会見を開き、2009年12月期から3ヵ年にわたる「中期経営計画」について説明を行なった。
同社は、07~09年度の3ヵ年にわたる中期経営計画を実施してきたが、不動産流通市場を取り巻く環境が一変したため、大幅に見直したもの。同社が得意とする法人仲介市場を含めた不動産市場全体が持ち直すのは、「早くても11年」と想定。人材・組織の強化、コストコントロールの徹底といった内固めに集中する。業績目標は、11年12月期の営業収益223億円(08年12月期比31.0%増)、営業利益24億円(同73.0%増)、経常利益18億円(同111.8%増)、当期純利益10億円(同188.5%増)。
仲介事業では、CRE戦略支援などの強化による法人顧客基盤の拡充、法人営業機能の集約化・効率化の推進、リテール分野における地域密着型営業による効率化で、11年12月期営業収益46億円(同98.4%増)、営業利益10億円(同4,110.3%増)をめざす。
アセットソリューション事業は、取得済の販売用不動産が08年12月末現在約465億円とバランスシートを圧迫しつつあることから、11年末までに約250億円まで圧縮する。また、(株)プロパストから売主地位を承継したマンション「TX万博記念公園プロジェクト」(茨城県つくば市、総戸数410戸)の早期完売をめざし、今期中に250戸販売にめどをつける。11年12月期の営業収益目標は113億円(同46.3%増)だが、これまでのような利益率は見込めないとして、営業利益目標は20億7,000万円(同▲0.5%)にとどめる。
このほか販売受託事業は、新規マンション市場縮小を見込み、コストコントロールを徹底。販売現場への人員の集中投入等で、販売在庫の圧縮を図る。賃貸事業では、管理戸数を11年末までに1万7,000戸(08年末12,644戸)まで積み上げるほか、賃貸保証子会社のサービスメニューを拡充するなど拡大を図る。
3月26日付で社長就任が予定されている副社長の坪井和重氏は、会見で「07年12月期は業者間取引やファンド取引などに大きく依存した特殊な年だったので、数字的には、06年12月期の水準に戻るイメージ。ただし、その中身はCRE戦略支援や不良債権処理案件の取り込みなど、まったく違ったアプローチとなる」などと語った。