国土交通省は30日、国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:小林重敬・東京都市大学教授)および国土審議会土地政策分科会企画部会中長期ビジョン策定検討小委員会(委員長:小林重敬氏)による「土地政策の中長期ビジョン(国民生活を豊かにする不動産のあり方ビジョン)中間報告」を発表した。不動産に対する需要の変化など、今後の日本の不動産の姿を描きつつ、国民生活を豊かにするための不動産や市場のあり方、土地政策の方向性について示したもの。
同報告では、「土地は保有する資産でなく活用する資産となった」とし「不動産市場は、その利用価値を中心とする市場となり、不動産が豊かな国民生活の実現にどれだけ貢献できるかということが、今問われている」とした。これに対応するため、今後の土地政策は、「豊かな国民生活の実現に向けて、不動産の利用価値を高めていくこと」を基本戦略としていくべきとした。
そのうえで、具体的な政策展開としては、(1)個人のライフステージに応じ、最もふさわしい形で不動産の購入・賃貸等の選択を行なっていこうという考え方(個人不動産(HRE))の普及促進、(2)住み替え、既存住宅価値の維持確保に向けた環境整備、(3)企業や公的機関が合理的に不動産の取得・管理・処分等の適切な判断が行なうためのCRE・PREの普及促進、(4)中心市街地、ニュータウン再生のためのエリアマネジメントの推進、などを挙げている。