ジャパンリアルエステイト投資法人(JRE)は18日、2009年3月期決算説明会を開催した。
当期(2008年10月1日~2009年3月31日)の営業収益は207億1,600万円(対前期比4.6%増)、営業利益は99億5,500万円(同1.5%増)、経常利益は84億2,600万円(同▲0.3%)、当期純利益84億2,500万円(同▲0.3%)、1口当たり分配金1万9,020円となった。
当期は、都内でも競争力の高い「汐留ビルディング」の不動産信託受益権(東京都港区、取得価格:212億5,000万円)を取得したほか、保有ビルの既存テナントの一部において賃料増額改定を継続達成した等の影響で営業収益は対前期比プラスに転じた。
全ポートフォリオのテナント入居率については当期末時点で95.5%(対前期比▲0.6%)と微減にとどまり、不動産市況の不透明感が依然として増すなか、安定した稼働状況を維持している。また、ポートフォリオ契約賃料について、対前期末比増減率は2.6%増(物件取得・譲渡による増減:3.1%増、賃貸条件変動による増減:▲0.5%)となった。
同投資法人の代表取締役・荒畑和彦氏は「賃貸オフィスマーケットは急速に悪化している状況であるが、外部成長という意味ではむしろチャンスと捉えている。5年後10年後の将来を見据え、良い物件と判断される場合には積極的に取得していきたい」と語った。また、ポートフォリオの鑑定評価額が全物件において対前期末比で下落したことについて、内部成長については限りがみられるものの、減額に至るスピードが早かった分、回復するのも早いとの見解を示した。
次期(09年4月1日~9月30日)については、「三菱UFJ銀行本店ビル」の未利用容積移転取引による移転対価7億2,000万円が不動産譲渡益として計上されることから、営業収益は205億8,000万円、営業利益94億7,000万円、経常利益、当期純利益はいずれも79億円、1口当たり分配金1万8,850円と予想。
さらに、次々期(09年10月1日~10年3月31日)については、「神宮前メディアスクエアビル」の敷地の一部が都市計画道路整備のため東京都への譲渡が予定されており、8億8,800万円が不動産譲渡益として計上されると見込んでいる。