国土交通政策研究所は3日、3月に行なった「子育てに適した住宅・居住環境に関する調査」の結果を発表した。
同調査は、最近5年以内で妊娠・出産を機に持家取得した首都圏の母親を対象に、子育て向きの居住環境を把握する目的で実施したもの。「緑・街並み」「商業利便性」「保育・教育・医療」「安全・安心」の4項目の要素群を設定し、それらの重視度、優先順位、居住後の満足度等を調査した。
回答者は、東京23区、都内各市町村、横浜・川崎・さいたま・千葉の4政令市に居住する、25~39歳の母親。回収数は801(23区内:316、都内各市町村:235、4政令市:250)。
希望の住替え先としてイメージしていた居住環境について、23区では「保育・教育・医療」、「商業利便性」を重視、それ以外では「緑・街並み」、「安全・安心」を重視するなど、居住地において差があった。
各要素ごとでは、「保育・教育・医療」は「小中学校の近接性」を、「商業利便性」は「住宅の周囲に日用品を購入できるスーパーがあること」を最も重視。「緑・街並み」は「子どもの遊び場が住宅の周囲にあること」を、「安全・安心」は「人通りの多い繁華街などがなく、地域の治安が良いため、防犯上の不安がないこと」を最も重視していた。また、回答者が重視していた項目は、住宅取得時におおむね達成され、居住後の満足にもつながっていることがわかった。
一方、回答者が重視していた項目が達成できなかった要因として、「取得予算の制約」のほか、「希望に合った住宅・居住環境の情報を得にくかった」ことなどが挙げられた。