三井不動産(株)は4日、2010年3月期第3四半期決算を発表。記者向けに説明会を開催した。
当期(09年4月1日~12月31日)の連結売上高は1兆51億3,600万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は1,074億4,200万円(同▲14.7%)、経常利益は869億6,600万円(同▲20.9%)、四半期純利益は508億7,800万円(同▲3.9%)。
個人顧客向けの住宅分譲における大規模物件の竣工や投資家向けの分譲などが進捗し、売上高増となった。また営業利益は減益となっているものの、進捗率は89.5%と、通期予想に対しおおむね順調に進捗した。
セグメント別にみると、「賃貸」セグメントでは、新規開業した「三井ショッピング ららぽーと新三郷」(埼玉県三郷市)や「青山OM –SQUARE」(東京都港区)などの稼動が収益に寄与。
また、同社の首都圏オフィス空室率も3.7%と、前期とほぼ同水準で推移した結果、売上高4,119億5,900万円(前年同期:3,983億2,100万円)、営業利益782億5,400万円(同:783億9,600万円)となった。
分譲セグメントでは、住宅分譲において「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」(神奈川県川崎市)や、「パークコート赤坂ザ タワー」(東京都港区)といった大規模物件を中心にマンション3,164戸、戸建504戸を計上し、増収増益となった。
一方、投資家向け分譲等では、日本アコモデーションファンド投資法人に対する賃貸住宅の譲渡などにより増収となったが、低価法の適用などにより減益。セグメント全体でのたな卸し資産評価減額が67億円となり、売上高2,883億2,100万円(同:1,989億1,300万円)、営業利益293億6,500万円(同:347億5,900万円)を計上した。
完成工事では三井ホーム(株)の完成引渡しが第4四半期に集中するという季節変動要因があるため、当期末での売上高は915億5,700万円(同:1,104億6,500万円)、営業損失は47億5,500万円(同:営業損失42億2,400万円)となった。
また、仲介・販売受託・コンサルティングでは、個人向け仲介の取引件数が前年同期を上回ったものの、法人向け仲介の市況が低調であることやコンサルティング事業において前年同期に大型のインセンティブフィーの計上があったことなどにより、売上高452億3,600万円(同:561億6,500万円)、営業利益53億3,000万円(同:141億2,200万円)となった。
決算説明を行なった同社経理部長・弘中 聡氏は、「マンション分譲における契約率は約85%まで順調に進捗している。来期以降については、政府の政策に期待もしているが、回復は緩やかという見通しでいる」などと語った。
なお、通期予想では、売上高1兆4,100億円、営業利益1,200億円、経常利益930億円、当期純利益500億円を見込んでいる。