(社)不動産証券化協会(ARES)20日、ホテルニューオータニ(東京都千代田区)にて、第8回通常総会懇親会を開催した。
懇親会冒頭、理事長の岩沙弘道氏(三井不動産(株)代表取締役)は、日本の実態経済が持ち直しつつあるとの認識のうえで、「昨年9月に不動産市場安定化ファンドが組成されたことにより、資金調達環境はだいぶ改善しており、また、公募増資や投資法人債の発行も活発化してきている。市場再編の動きもみられ、JREITはこれまでに4件が合併した。今後も2件の合併のほか、新規上場の予定もあると聞いている。市場は、新たな成長に向けて動き出した。当協会でも、不動産投資市場の再生と信認回復から新たな成長をめざし、さまざまな活動に取り組んでいきたい」とあいさつした。
重点課題として、(1)市場再構築と新たな成長戦略の検討・提言、(2)個人投資家へのJREIT普及策の実施、(3)国内外の機関投資家の投資促進に資する施策の研究とインフラ整備、(4)コンプライアンス教育の立ち上げ、(5)海外諸団体との連携と国際巨総力の高い人材の育成、(6)都市・地域の社会基盤整備への寄与を推進していく考えを明らかにした。
また、同協会副理事長に三菱商事(株)副社長執行役員小林 健氏、監事に牛島総合法律事務所代表弁護士牛島 信氏、(株)さくら綜合事務所代表取締役杉本 茂氏らを新たに迎え、一般社団法人への移行を基本方針とした体制づくりにも取り組み、10年秋をめどに定款・諸規則変更のための臨時総会を開催、年度内の申請をめざす。
なお、同協会では2009年7月より不動産投資運用業のコンプライアンス研修のプログラム開発に着手しており、10年9月より研修を実施する予定。
懇親会は、内閣府大臣政務官田村謙治氏、国土交通大臣政務官藤本祐司氏など多数の来賓を迎え、盛会となった。