大和ハウス工業(株)は21日、住宅床下点検ロボット「moogle(モーグル)」が完成したと発表。2011年4月から関東・中部・近畿地区の現場に配備し、運用を始める。
同ロボットは、06年10月に千葉工業大学、筑波大学と共同で開発に着手したもので、08年4月から三菱電機特機システム(株)とともに実用化に向けた開発を実施。09年4月から約150件の現場で試験運用を行なっていた。
現在は、同社の戸建住宅オーナー向けに、診断員が定期的に無料で点検・診断を行なっているが、今後は、引渡し後10年目以降の定期点検で実施する床下点検などに同ロボットを導入する予定。床下の高さは約50cmと狭小なため、点検にあたる診断員の負担を軽減することができる。
ロボットの装備は、LED照明、点検用CCDカメラ、走行用の広角CMOSカメラ、無線LANアクセスポイントなど。手元のコントローラーで無線遠隔操作する。60分以上継続使用でき、高さ15㎝程度の障害物なら乗り越えられ、間仕切り基礎に設けた貫通口(縦約30㎝、横約50cm)を通り抜けることができる。
点検項目は、1階床を支える「大引・束」、「給水・給湯・排水・ガス配管」などの状況、「鉄筋コンクリート基礎」のひび割れおよびシロアリ蝕害・蟻道の有無など。点検用カメラによる映像を、無線LANを通じてパソコン画面に映し、リアルタイムに確認できるようにした。
今後、定期点検や建物診断だけでなく、住宅リフォーム前の現場検査や簡易耐震調査などにも活用していく方針。