清水建設(株)はこのほど、同社技術研究所本館内(東京都江東区)にスマートグリッド対応の「次世代型超環境オフィス」を完工させた。エネルギー制御システム「シミズ・スマートBEMS」により、CO2排出量を一般的なオフィス比で60%削減する。
同システムは、太陽光発電と蓄電池を組み込んだマイクログリッド(小規模電力供給網)を通じ、設備機器のピーク時の消費電力を削減・平準化(デマンドレスポンス=DR)し、また、個人認証により照明・空調を制御することで、CO2の削減と快適性を追求するもの。
DRの手順は、天候などをもとに翌日の電力需要を予測して蓄熱・蓄電計画を立案したうえで、契約電力削減目標に合わせて設備機器の運転計画を修正。当日の予測誤差には、設備機器の稼働量をリアルタイムで制御することで対応する。ピーク時の消費電力を最大約20%カットできる。
また、机回りや共用部分では、個人認証センサーが個人の所在位置をリアルタイムで認識し、天井に設けられたLED照明と足元の個別空調を制御する。
今後、同社では建築物や地域開発などの計画者に同システムを提案していく方針。