ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)はこのほど、世界の主要3地域(アメリカ大陸、欧州・中東・アフリカ、アジア・パシフィック地域)における2010年第3四半期の不動産売買取引総額は690億米ドルと発表した。第2四半期実績の660億米ドルとほぼ同水準、09年第3四半期比では8%の伸びにとどまっている。
アジア・パシフィック地域では、企業センチメントや市場のファンダメンタルズの改善に後押しされ、当期の不動産売買取引総額は第2四半期比12%増の180億米ドルに。特に、シンガポールでは前年同期比で500%増となるなど、不動産取引額の顕著な増加がみられた。
欧州・中東・アフリカの不動産売買取引総額は、第2四半期で12%減少(ユーロ建て)、210億ユーロ(270億米ドル)だった。夏休み期間の取引減少や、投資対象となる優良物件の不足に加え、欧州の一部の国の国家債務に対する懸念により、取引総額が抑制される結果になったものとしている。
アメリカ大陸では、引き続き不動産投資市場の勢いが増しており、不動産売買取引総額は前期比で12%上昇した。米国では特に、ゲートウェイ都市を中心とした不動産取引の増加を受け、当期の売買取引総額は前期比で24%の増加、前年同期比では50%を超す増加となった。
なお、全世界での不動産取引総額は、当期まで(9ヵ月間)で2,020億米ドル。同社では、10年通年での世界の不動産の直接売買取引総額は、前年比35~40%増の2,800億~2,900億米ドルに落ち着く、と予測している。