(財)日本不動産研究所(JREI)はこのほど、「第23回不動産投資家調査」の結果を発表した。アセット・マネジャー、アレンジャー、開発業者(ディベロッパー)、格付機関、生命保険等を対象に10月1日にアンケートを実施。136社から回答を得たもの。
投資対象不動産の期待利回りは、前回(10年4月1日)調査時同様、ほぼすべての都市で横ばいとなり、オフィス市場に底打ち感がみられた。
また、賃貸住宅の期待利回りは、前回すでに利回りが低下傾向にあったが、今回はさらに利回り低下都市が広がり、全国的に回復傾向が明確になった。
また、東京都丸の内、大手町地区におけるAクラスビルは期待利回り4.5%、取引利回り4.2%で、3期連続の横ばい。政令指定都市および地方中核都市における標準的なAクラスビルの期待利回りは、上昇都市がなくなり調査対象都市のすべてで横ばいとなった。
不動産への新規投資意欲は、第20回(09年4月1日)を底に回復傾向にあり、今回は新規投資を積極的に行なうとの回答が80%と、第18回(08年4月1日)以来5期ぶりの高水準となった。新規投資を控える投資家は、前回の22%から今回は17%にまで減少している。
オフィス賃料水準の予測は、前回に引き続き東京都内の各地区で下落幅縮小の予測が増加したほか、政令指定都市においても下落幅縮小の予測に転じた。