国土交通省は、17日開催した社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長:越澤 明氏・北海道大学大学院教授)で、住生活基本計画(全国計画)変更案を審議した。
今回の変更案は、既存住宅の流通・リフォーム市場が欧米と比較して充分形成されていない、家庭部門のCO2排出量が大きく増加、住宅の耐震化ペースが遅いといった課題、住生活を取り巻く状況の変化を踏まえ、2006年策定した「住生活基本計画」を見直し、ストック重視・市場重視の施策を加速するのが狙い。
変更案では、(1)安全・安心で豊かな住生活を支える生活環境の構築、(2)住宅の適正な管理及び再生、(3)多様な居住ニーズが適切に実現できる住宅市場の整備、(4)住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保を目標に掲げた。
これら施策展開については、その効果を「成果指標」で定量的に判断。変更案では、新たな成果指標として、(1)取引時に瑕疵担保保険に加入した既存住宅の年間戸数(08年:906戸→20年:9万戸)、(2)新築住宅における認定長期優良住宅の割合(09年:8.8%→20年:20%)、(3)エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づく届出がなされた新築住宅における省エネ基準達成率(10年:42%→20年:100%)、(4)30年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している新築分譲マンション管理組合の割合(08年:51%→20年:概ね100%)、(5)高齢者人口に対する高齢者向け住まいの割合(05年:0.9%→20年:3~5%)などを盛り込む。
同省は、審議会委員からの意見や表現の修正を経たうえで、最終的な変更案を作成。2月上旬のパブリックコメント、全国の都道府県からの意見を聴取したうえで、今年度中の閣議決定をめざす。