ヒューリック(株)はこのほど、「ヒューリック長寿命化ガイドライン」を策定した。今後、同ガイドラインにもとづき、同社が建設するビルに長寿命化対策を標準化する。
同社では、ビルの建替えスパンが40年の「基準ビル」と125年の「長寿命化ビル」の場合の環境性や経済性を試算。
長寿命化ビルの場合、基準ビルに比べて廃棄物、資源投入量も50%以上削減できるほかライフサイクルCO2も約6%削減できること、また、建設工事費や移転補償費などが節約でき総投資額を約40%削減できること、建替えによる賃料収入停止が発生しないため累積キャッシュが1.25倍に増加するなど、ビル長寿命化対策が環境面だけでなく、経済面でもメリットがあると判断、同社の標準仕様とすることに決めた。
具体的には、100年以上使用できる高耐震性と高耐久化を図るほか、可変性の高い設計を採用、テナントがビルを使いながらリニューアルできるようにすることで、更新・リニューアルを円滑化する。また、タイムリーかつきめ細やかなメンテナンスができるよう、ゴンドラをガラス窓清掃だけでなくメンテナンスにも使用するほか、エレベータを屋上まで着床させ空調などの機器を屋上に搬入できるようにする。
同ガイドラインによる第1号物件は2012年8月竣工予定で、国土交通省CO2先導事業にも採択され、CASBEEでSランク評価を受けた「(仮称)ヒューリック大伝馬ビル」。以降、新築するビルで順次実施していく。