政府は4日、都市再生特別措置法に係る「都市再生基本方針」の全面改定を閣議決定した。2010年6月の「新成長戦略」に「大都市の成長戦略の策定」が早期実施事項として盛り込まれたのを受け、有識者・実務者の議論を踏まえ改訂するもの。
従前の都市再生基本方針がハード面の都市整備に関する事項が中心で、近年の経済・社会情勢の変化が反映されていなかったことから、新たな基本方針では、ハード・ソフトの両面から大都市戦略を明記したほか、少子高齢化の進展など、経済・社会情勢の変化に対応した都市再生のあり方を提示している。
都市再生施策の基本的方針として、(1)選択と集中のコンセプトのもと集中的支援、(2)人口減少社会の到来を踏まえ、都市の拡張は止めたコンパクトな都市の実現、(3)高齢者が安心して生活できるまちづくり、(4)PPP・PFI、「新しい公共」との連携、(5)低炭素社会の実現につながるまちづくり、(5)必要な資金を安定的に供給するファイナンス環境の整備、などを盛り込んだ。
一方、大都市における施策の基本的方針としては(1)国際競争力強化のための環境整備、(2)海外の高度人材を呼び込む質の高い生活環境の確保、(3)集積デメリットの抑制、環境負荷の低減などを謳っている。
政府は今後、これらの基本方針を踏まえ、都市再生緊急整備地域の地域整備方針について、より具体性が高く幅広いものへ見直しを図るほか、同地域の指定見直しも必要に応じて実施する方針。