政府の行政刷新会議ワーキンググループは7日開催した「規制仕分け」において、近年消費者トラブルが問題となっている、マンション投資への悪質な勧誘について、契約締結前の行為規制、契約締結後の消費者保護規定の充実を含めた法的措置について検討するとの判断を下した。
全国の消費者生活センターには、(1)業者名や勧誘目的を隠匿して勧誘された、(2)契約を断ったのに何度も執拗に勧誘された、(3)夜間に及ぶ勧誘をされたなど、マンションの勧誘に関する相談件数が数多く寄せられており、2009年度には5,355件(前年比22%増)と大幅に増加。5年連続で増加している。
これら投資用マンションの販売については、宅地建物取引業法により、事業者に対する免許制度の実施、契約締結の勧誘の際に相手方の利益保護に欠ける一定の行為の禁止などの消費者保護が図られていることから、訪問販売や電話勧誘販売を対象とする特定商取引法の適用が除外されている。
今回の仕分けでは、消費者トラブルが急増している現況を踏まえ、宅地建物取引業者が行なうマンション投資への勧誘についても、特定商取引法が規定する(1)勧誘に先立つ業者名及び販売目的の明示の義務付け、(2)再勧誘の禁止、(3)迷惑を覚えさせるような仕方での勧誘の禁止、などの行為規制を消費者保護の観点から適用すべきかを議論したほか、不実告知または事実不告知による誤認の場合の契約の申込み等の取消し規定、クーリングオフの適用範囲拡大など契約後の消費者保護についても議論がなされた。
その結果、「契約締結前の行為規制、契約締結後の消費者保護規定の充実を含め、法的措置について検討する」との結論に達した。規制強化に関しては、宅建業法の国土交通省令、通達で可能な措置については「早急に行なう」こととし、法的措置については、実態把握の上、取引の安定性にも考慮して検討するとした。