国土交通省が17日に発表した「2011年地価公示」結果について、業界団体のトップから以下のようなコメントが発表された。
【業界団体(五十音順)】
(社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 伊藤 博氏
(社)全日本不動産協会 理事長 川口 貢氏
(社)不動産流通経営協会 理事長 大橋正義氏
平成23年の地価公示では、平成20年秋のリーマンショック以降、初めて東京圏、大阪圏、名古屋圏、地方圏において、そろって下落率が縮小した。住宅取得資金に係る贈与税の非課税枠の拡大等の政策効果等による住宅の値頃感により、住宅地の地価は下落基調から転換の動きが見られた。商業地では、都市部で下落率が縮小し、地方圏においても、下落率の縮小傾向が見られるようになった。
しかしながら、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震が、東日本において未曽有の甚大な被害を引き起こしたことから、今後の日本経済に対する影響が大いに懸念されることとなった。
今回の震災に対して、本会では、各宅建協会と連携し、宅建協会と地方公共団体との間で締結している災害協定に基づく被災者に対する賃貸住宅の情報提供と無償斡旋、地方公共団体が実施している民間賃貸住宅の借上げによる応急住宅確保に対する協力、民間賃貸住宅情報を獲得するための不動産情報検索サイト利用の周知など、被災者が民間賃貸住宅への円滑な入居ができるように各種の対策を取っている。
今回の震災で、日本経済に深刻な影響が及ぶと再び地価の下落傾向に転じる懸念があるが、本会としては、国民の住生活環境の安定・改善に尽力し、良質で安全安心な住宅の提供に資する各種提言を行うことによって、日本経済の復興に貢献をしていきたいと考えている。
まずはこのたびの東日本大震災で被災された方々へ、謹んでお見舞い申し上げると共に、被災地の早期の復旧及び復興を心よりお祈り申し上げます。
平成23年地価公示が発表されたが、全国的に下落基調は続いているものの、住宅ローン減税などの政策税制などの効果により、住宅地の地価は下落率が縮小し、下落基調からの転換の動きが見られた。商業地においても、都市部を中心に下落幅が大幅に縮小した地域も見られるなど、明るさが見え始めてきたようだ。そんななかでの今回の大震災が不動産市場に与える影響が懸念される。
コメントの前に、このたびの東北地方太平洋沖地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。
さて、今回の地価公示においては、足踏み状態からの改善傾向がみられる景気動向の下、リーマン・ショック以降下落し続けていた地価が、東京圏、大阪圏、名古屋圏及び地方圏そろって下落率が縮小し、下落基調からの転換の動きが見られました。
不動産流通市場においては、昨年来新築マンションの初月契約率が70%を超すなど低迷期は脱しつつあり、また、住宅ローン減税、「フラット35S」に代表される低金利の住宅ローン、贈与税非課税枠拡大等の政策効果や住宅の値ごろ感から、東日本不動産流通機構の既存住宅取引件数は昨年を上回り、価格も上昇するなど回復基調にあります。
特に、大都市圏においてはマンション用地取得の活発化、戸建住宅等についての根強い需要から、価格が横ばいもしくは上昇に転じた地点が増加してきています。
今後、この回復傾向を確かなものとするためにも、23年度税制改正大綱で示された不動産関連諸税軽減措置延長等の早期成立は喫緊の課題であると考えております。
更に、この度の震災による地価への影響は今のところ予測出来ませんが、総力を結集した施策が取られ、今回の回復基調を継続させ、我が国経済が一日も早く復興することを期待します。