ジョーンズラングラサール(株)(JLL)は18日、「東日本大震災の東京オフィスマーケットへの影響」と題する調査レポートを発表した。
東京オフィスマーケットのトレンドについては、計画停電による企業活動の制約などから、「今後の企業業績は極めて不確実なものになった」と分析。「企業のリスク回避行動としてオフィスの拡張・集約といった動きはとりあえず棚上げして様子見姿勢をとる結果、テナントの需要が震災前より減退している」とする一方、「逆に先行きが見えないなかで、急な縮小、移転といった動きも抑制されるものと考える」とした。
外国人投資家の動きについては、「グローバルかつ中長期的な視点で投資してきた投資家の日本に対する投資意欲は変わっておらず、むしろ物件取得を進めることで、マーケットにおけるプレゼンスを高めるチャンスであると見ている」と考察した。
また、今後の東京オフィスマーケットの見通しについては、「短期的には震災による企業業績悪化および外資系企業の移転・撤退によるオフィス需要の減少により、東京オフィス賃料は弱含む」と予測する一方、「その後は復興需要により景気回復が後押しされることで、オフィス需要の回復と割安な賃料が相まってオフィスマーケットは回復する」と分析。東京Aグレードビルの賃料は、2011年に3~5%下落した後、12年には一転して5~10%の上昇を見せると予測している。