旭化成ホームズ(株)は21日、住宅の防犯性能評価技術に関する研究報告と、それにもとづく「みまもり型防犯設計ガイド」を発表した。
同報告書は、明治大学理工学部建築学科教授・山本俊哉氏との共同研究で、住宅の防犯設計を的確に行なうために、通行者の視線(自然監視性)を数値化・見える化するための研究を行ない、その成果をまとめたもの。
共同研究は、国土交通省の住宅・建築関連先導技術開発助成事業(平成19~21年度)の「戸建住宅の防犯性能評価シミュレーションに関する技術開発」として採択されている。
昼間の自然監視性の実験や、夜間の照明の状態による見え方の違いを検証し、開口部ごとに防犯性能を評価する仕組みを考案。より具体的・客観的な指標として提案していく。
同社では、研究成果をもとにまとめた設計指針「みまもり型防犯設計ガイド」を作成。(1)格子の隙間の幅の間隔を少しずつ変えることで、通行者のみまもり効果を発揮しながらプライバシーを確保する「スクリーン・マジック」、(2)侵入者を威嚇するのではなく、夜間でも敷地内が見えるような位置に照明を設置する「フォワード・ライティング」、(3)道路からのみまもり不足に応じて対策を加え、バランスよく防犯する「リスクチャート」という3つの設計手法を提案している。
会見で同社くらしノベーション研究所長の熊野 勲氏は「視認性の数値化や、プライバシーの問題など課題もあったが、物理的に侵入しにくくする『くいとめ型』に、視線をあえて敷地内に向けて防犯する『みまもり型』の発想を加えることによって、防犯効果を高めることを提案していく。設計指針は、広く一般に活用していただけるよう、公開していきたい」などと述べた。
なお、同社では今後、へーベルハウスのオーナーに向けに、「みまもり型」防犯に関するセミナーを行なっていく。