分譲マンション事業の総合コンサルティングを手がける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、首都圏の代表的な再開発エリアにおける新築分譲マンション市場の変化を検証したレポートを発表した。
検証を行なったのは、「武蔵小杉」(川崎市中原区)、「池尻大橋・二子玉川・中目黒」(東京都渋谷区他)、「大崎・五反田・大井町」(東京都品川区他)、「南千住・西新井」(東京都荒川区)、「川口・大宮」(埼玉県川口市他)、「船橋・市川・本八幡」(千葉県船橋市他)。各エリアごとに、2000~04年と07・08年、09・10年の販売価格相場の変動をみた。
総面積37haに及ぶ大規模再開発が行なわれている「武蔵小杉」エリアでは、07・08年のマンション価格が00~04年比30%も上昇。09・10年も同24.3%と相場を維持している。また、東急電鉄による複合再開発が進む「二子玉川」エリアも、07・08年価格は同33%、09・10年が同24.1%と上昇率をキープしている。
ところが、オフィス中心の再開発エリアである「大崎」は07・08年価格は同39%と上昇したものの、09・10年は同15%にダウン。約11haの再開発が行なわれた「西新井」エリアも、07・08年価格が同37%と上昇したが、大量供給・価格上昇により需給バランスが崩れ、09・10年は同19.7%にとどまっている。
これらの結果について同社は「再開発エリアといえども、都心以外は集客の広域化が難しい。基本的には地元・中域集客が中心で、エリアポテンシャルアップにより地元の上澄み層が増え、市場の上昇を吸収している」としながらも、「ポテンシャルアップと購入体力の上昇が見込める再開発は、住環境や生活利便性の向上が期待できるようなバランスの良い複合開発でなければならない」と結論付けている。