(独)都市再生機構(UR都市機構)は、「都市・価値の再創造―次代につながる都市づくり―」と題した「第6回都市再生フォーラム」を、5月13日にサントリーホール・小ホール(東京都港区)で開催した。
冒頭に挨拶した同機構副理事長の井上公章氏は「福島の原発問題は、次世代につながる都市の構築が求められる。過去と現在を見つめ直し、将来の都市のあり方を考えることは意味がある」などと語った。続いて挨拶した中部大学教授の齋藤宏保氏は、「今回の震災は、日本が災害多発時代に突入したことを示唆している。今後、人間が自然とどのように折合いをつけるかが重要」と話し、「被害がない地域(都市)が元気を見せ、被災地を応援し、知恵を出して実行に移すことが、被災地と日本経済の復興に必要となる」と同フォーラムの意義を述べた。
フォーラムではまず、名古屋大学大学院教授の林 良嗣氏が基調講演を開催。「生活の豊かさを築くラストチャンス―クオリティストック&スマートシュリンク―」のテーマのもと、20世紀のもたらした日本の国土景観や、21世紀に起こる自然と社会の変化、衰退の可能性の高い日本都市、少子高齢化と価値観変化への対応などについて話した。
その後、コーディネーターに齋藤宏保氏、パネリストに林 良嗣氏、馬場正尊氏(東北芸術工科大学准教授、建築家)、藻谷浩介氏((株)日本政策投資銀行地域振興グループ参事役)、山田桂一郎氏(日本エコツーリズム協会理事、まちづくり観光研究所主席研究員)を迎えパネルディスカッションを開催。それぞれのパネリストが、都市への考え方や、自身の役割、理想像とそのための戦略実行策についての考え方等を披歴した。