(財)土地総合研究所(土地総研)は23日、「不動産業業況調査(2011年4月実施)」の結果を発表した。三大都市圏および地方主要都市において不動産業を営む企業146社を対象に、業種ごとに経営状況をアンケートし指数化したもので、四半期ごとに実施している。回収率は88.4%。
現在の経営状況は、住宅・宅地分譲業が▲4.4(前回調査比▲4.4ポイント)、不動産流通業(住宅地)▲23.5(同▲7.5ポイント)、ビル賃貸業▲37.5(同▲2.9ポイント)と、いずれも前回調査時よりも下落。リーマンショック後の調査以来2年半ぶりの下落であり、東日本大震災の影響がうかがえる。
住宅・宅地分譲業では、用地取得件数が▲5.6(同▲11.5ポイント)と10年4月以降はプラスとなっていたものの1年ぶりにマイナスに転じた。モデルルーム来場者数は12.1(同18.4ポイント増)とプラスに転じ、成約件数も10.6(同3.1ポイント増)と改善した。
不動産流通業(住宅地)については、マンション(中古等)の売却依頼件数が▲18.6(4.8ポイント改善)、購入依頼件数が▲13.6(同14.5ポイント改善)と上昇傾向にあるが、成約件数は▲16.9(▲0.2ポイント)、取引価格▲25.0(同▲6.5ポイント)と、悪化傾向となった。
戸建て(中古等)については、購入依頼件数は▲14.3(3.6ポイント改善)、取引価格▲16.7(3.6ポイント改善)と上昇したものの、売却依頼件数は▲38.1(▲11.2ポイント)、成約件数は▲31.7(▲27.4ポイント)と減少した。
一方、ビル賃貸業については、空室状況が▲6.1(同9.7ポイント改善)と、マイナスであるものの、改善。成約賃料動向は▲63.2(同▲4.9ポイント)と下落した。
なお、3ヵ月後の経営状況の見通しは、住宅・宅地分譲業が▲4.4、不動産流通業(住宅地)が▲32.6、ビル賃貸業が▲33.3と、悪化すると予想している。