(社)不動産協会は20日、第258回理事会を開催。「震災からの復興と日本経済の活性化に向けた政策要望」を決定した。
同要望では、「復興を支える日本経済の活性化に必要な施策」として「大都市の国際競争力の強化」を挙げ、風評被害を払拭し、日本の安全性を官民あげて国内外にアピールするとともに、都市の防災機能やBCP機能をさらに向上させる必要があるとした。
また、業務機能の高度化を図るため、特定都市再生緊急整備地域および国際戦略総合特区を早期に指定する必要についても触れたほか、「良質な住宅ストックの形成」として、住宅の耐震性の確保や防災機能の向上が急務であることから、老朽化マンションの建替えや災害への備えを充実させることなどを盛り込んだ。
一方「税制改正・予算・制度改善に関する要望」として、消費税率引き上げに関しては住宅取得への配慮と多重課税を排除すること、成長戦略の着実な実施に向けた国内投資を促進する税制が必要であるとし、2012年度税制改正に向け「長期保有土地に係る事業用資産の買換え特例の延長・拡充」や「新築住宅に係る固定資産税の軽減特例の延長」、「住宅取得等資金の贈与に係る特例の延長・拡充」などを挙げた。
また、予算では住宅エコポイント等の省エネ性能向上策の継続・拡充、フラット35Sの金利優遇措置の延長など要望する。
理事会後の記者懇親会で挨拶した、同協会理事長・木村惠司氏は、「現在も予断を許さない状況ではあるものの、分譲マンション市場は震災直後の混乱は終息し、契約率は堅調に推移。オフィス市場も空室率は改善傾向にある。日本経済の回復には、都市の再生が不可欠であり、被災地の復興を含め全力を尽くしていきたい」などと語った。