国土交通省は、5月11日に第1回会議を開催して以来検討を進めてきた「液状化対策技術検討会議」の検討成果をとりまとめ、公表した。
東日本大震災における液状化による被害実態等の把握、液状化判定手法の検証、および発生メカニズムの確認・解析等の各社社会基盤施設等に共通する技術的事項について検討してきたもの。
被害の実態として、1都6県にわたり、少なくとも96市区町村に及ぶ極めて広い範囲で液状化現象の発生が認められた。特に、東京湾岸部や利根川下流域等の埋め立て地、旧河道・旧池沼等で集中して液状化現象が発生した。
液状化発生箇所およびその周辺の112箇所を対象に、代表的な液状化判定法である「FL法」により液状化判定を実施したところ、液状化発生箇所はすべて「液状化する」との判定で、「液状化しない」と判定される「見逃し」がなかったことがわかった。
一方、非液状化箇所のうち相当数の箇所で「液状化する」と判定されたことについて、さらなる研究が必要であると指摘したものの、FL法の判定式は、今回の地震による液状化の発生状況とおおむね整合している、と評価した。
また、現行の「FL法」で液状化の見逃しが生じるほどの傾向ではないものの、埋立等による造成年代の新しい地盤が、古い地盤より液状化しやすい傾向が見られること、地震動の継続時間が長かった今回の地震では過去の短い地震と比較して液状化しやすい傾向が見られること等の知見が得られたという。
なお、検討に用いたデータについては、今後、同省国土地理院地理地殻活動研究センター等のホームページに掲載する予定。