(株)住信基礎研究所は5日、企業のオフィス動向に関する調査を発表した。東京都心6区に本社オフィスのある企業など約4,500社に、オフィス移転に関する意識等をアンケートしたもの。225社が回答した。
回答企業のうち、東京本社オフィスの移転を、「向こう3年以内に検討している」と答えたのは26.7%で、73.3%が「検討は不要」と答えた。また、「オフィス立地を改善する場合、賃料単価が上昇しても構わない」と答えたのは22.2%、「ビルグレードや設備を改善する場合、賃料上昇しても構わない」という回答も9.1%といずれも低く、オフィス面積の拡張や立地の改善、グレード・設備の改善など前向きな移転が増えてくると予想される一方、賃料についてはシビアな傾向が続くと分析している。
一方、東日本大震災を契機にした東京本社オフィスの配置方針等の変化については、97.3%が「同震災を受けて分散や移転は行なっていない」と回答。本社オフィスの一部・全部を移転した企業も、すべて東京に戻ってきていた。また、同震災や今後の災害を考慮しても「オフィスの分散が必要とまでは考えていない」とする回答が65.3%、「分散の必要性を感じているが、業務効率等を考慮すると現実的には分散できず、特に対応しない」が26.2%に達した。「所有」についても「同震災がビルの所有・賃貸に大きな影響を与えない」が52.2%と過半数に達し、今後の所有・賃貸の思考に大きな影響を与えないと考えていた。