大和ハウス工業(株)は、家庭用リチウムイオン蓄電池、HEMS、太陽光発電システムを搭載したスマートハウスの第1弾「スマ・エコ・オリジナル」を、10月1日より発売する。
同社は国内初となる家庭用リチウムイオン蓄電池を搭載した住宅展示場「SMA×Eco HOUSE(スマ・エコハウス)」での実証実験を全国3ヵ所で行なっている。「スマ・エコ・オリジナル」は、この実証実験で得られたノウハウを生かし、戸建住宅「xevo」に創エネ、省エネ、蓄エネの3つのシステムを加えたもの。
2.5kWhの家庭用リチウムイオン蓄電池、同社独自開発の「D-HEMS」、太陽光発電システムを組み合わせることで、昼間に太陽光発電システムの余剰電力を売電でき、夜間に購入単価が安い深夜電力を蓄電できるため、光熱費を抑えることが可能。旧省エネ基準による住宅と比べてエネルギー使用量を78%、CO2排出量を70%削減する。旧省エネ基準の住宅は、光熱費が年間25万3,350円発生するが、xevo(オール電化)の場合は年間費13万4,100円で11万9,250円の削減、「xevo スマ・エコ オリジナル」の場合は年間費▲1万5,200円で26万8,550円の削減が可能。
今回採用した家庭用リチウムイオン蓄電池は、11年8月、世界的な第三者認証機関であるテュフラインランドジャパン社の認証を世界で初めて取得したエリーパワー(株)の電池セルを搭載。幅32cm、奥行55cm、高さ67cmで、設置場所を選ばないコンパクトサイズ。また、業界初となる、家庭用リチウムイオン蓄電池を制御できる「D-HEMS」も搭載。電力をどの時間帯に充電・放電するかを、経済メリットが出るようコントロールしている。
同社取締役常務執行役員技術本部総合技術研究所長・濱 隆氏は「無理な節電をせずに、ピークシフトを実現して、経済性、環境性などメリットが生まれる商品。蓄電池は、高い安全性が最大の特徴で、停電時でも非常用電源となり、いざという時でも安心を提供することができる」などと述べた。
「スマ・エコ オリジナル」仕様への変更差額は、合計392万1,750円(税込)。販売地域は建設地が東北電力、東京電力、中部電力、関西電力管内の物件。販売目標は12年3月末までで300台としている。