不動産ニュース / 調査・統計データ

2011/9/22

大阪のオフィス賃料、15年までは下落基調。空室率は次第に回復/ニッセイ基礎研究所調査

 (株)ニッセイ基礎研究所は、大阪のオフィス市況の現況分析とオフィス賃料の将来予測に関するレポートを発表した。

 大阪のオフィス賃料は、2008年のピークから直近(11年上期)にかけ33.9%下落。1991~92年のバブル経済末期には、他の4都市(札幌、仙台、名古屋、福岡)に比べ3割程度賃料が高かったが、現在では名古屋、札幌と同水準、福岡、仙台より2割程度高い状況となった。空室率は、90年代半ば以降で最も高い水準にあるが、主要政令指定都市では最も低く11%程度で推移しているとした。

 一方、同市場では08年以降大規模なオフィス供給が続いており、特にリーマンショックで需要が低迷した09年に大規模オフィスビルの竣工が重なったことが、現在の苦境に大きく影響したとしている。
 賃貸可能面積(供給面積)は、07年の200万坪から11年(7月)には215万坪へ15万坪の増加した一方、賃貸面積(需要面積)は、07年の191万坪から11年の190万坪へと若干減少した。そのため、空室面積は07年の9万坪から11年には25万坪に上昇し、稼働率は95.3%から88.4%へと大幅に低下し、空室率は4.7%から11.6%へ拡大した。

 今後の新規供給面積は、11~14年の4年間で17万坪としており、その後も大規模オフィスの竣工が続くとしている。同市場の供給面積と需要面積を、GDP成長率、生産年齢人口、前期までのオフィス賃料などから求め、それをもとに同市場の賃料関数を推計したところ、11~12年にかけてわずかに上昇した後、15年まで下落が続くと予測している。空室率は12年にいったん下落した後に再び上昇し、13~14年は、10~11年と同程度の水準で推移し、その後、次第に回復すると予測している。

 同社は、オフィスの大量供給で、需要が供給を吸収しきれず、供給超過から再び賃料の下落が続き、市況の悪化は続くと予測。「需要の積み増しをしていくには、東京と同様、オフィスの震災対策(耐震診断・耐震補強・津波対策の実施)や省エネ対策等の強化も不可避」と指摘した。

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