住友林業(株)は4日、日新製鋼(株)、日新鋼管(株)と共同で、軟弱地盤で不同沈下した住宅を基礎ごとリフトアップし、沈下を修正する「住宅不同沈下修正工法」を開発したと発表した。2006年、共同開発に着手し、今回の開発に至ったもの。
同工法は、住宅を建設する段階であらかじめ基礎下にロックボルト(以下、RB)を敷設。万が一の沈下発生時に修正工事を行なう「先施工工法」と、不同沈下発生後の住宅への「後施工工法」に分かれる。「先施工工法」はRBへの注水による隙間形成、形成された隙間への水密構造耐圧バッグの挿入と水圧付加によるレベル調整、発泡ウレタンなどの注入による恒久処置という手順をとる。「後施工工法」では表層改良部の掘削と膨張型鋼管の敷設作業が追加される。
従来の薬液注入工法に比べて環境に優しく、また油圧ジャッキによってリフトアップする工法に比べても耐食性に優れるほか、薬液注入工法に比べ約2割、ジャッキアップによる工法に比べ約3~4割程度のコスト削減になるという。
同工法の説明を行なった、住友林業住宅事業本部・技術部チームマネージャーの藤野 一氏は「震災後、地盤に対し不安を持たれているユーザーの方は多い。大がかりな地盤調査をするよりも、低コストで済む『先施工工法』を広く進めていきたい」などと述べた。