国税庁は1日、震災特例法(相続税・贈与税関係)における土地等の評価の「調整率」を公表した。2011年3月10日以前に相続等または贈与により取得した指定地域内の土地等に係る相続税・贈与税で、同月11日以降が申告期限であるものを対象とし、震災による地価下落を反映させるために、特定土地の価額は相続等または贈与時における時価によらず「震災の発生直後の価額」とする。
調整率は、建物倒壊等の程度による減価率やライフライン等の被害に応じた減価率、経済活動が縮小することによる減価率などの要因を乗じたもので、これに路線価等をかけることで、震災発生直後の価額を割り出す。調整率が最も低かったのは、宮城県の「宅地」で、0.20~0.95。もっとも高かったのが、新潟県の「宅地」で0.95だった。
なお、福島原子力発電所事故に関し、警戒区域、計画的避難地区および緊急避難準備区域に指定された区域内にある土地については、相当程度減価していることが考えられるものの、調整率を定めることが困難なことから、価額を「0」とすることができるとしている。