日本マンション学会は11月5・6日にかけ、明治学院大学(東京都港区)で第20回日本マンション学会東京大会を開催した。
5日は「マンションとまちづくり」「最近のマンション紛争と裁判」など3つの分科会と、理事会・社員総会、メインシンポジウム「マンション管理制度の再検討」などを開催。最終日の6日は、「台湾・韓国・日本のマンション法制度と管理の諸問題」、「大規模団地建替えにおける住民自治と合意形成-多摩ニュータウン諏訪2丁目住宅の実例を踏まえて」と題したシンポジウム2つと、「東日本大震災における被災マンションの復旧に向けて」と題した震災緊急シンポジウムを開催した。
震災緊急シンポジウムでは、東日本大震災特別研究委員会の中間報告が行なわれ、東日本大震災の仙台地区、浦安地区のエリア別被害実態報告がなされた。さらに課題別報告として、マンション解体・処分に関する法整備についてや、マンション再建・復旧支援のための行政対応と制度上の課題などについての報告が、識者からなされた。
マンションの解体・処分、再建支援については、鎌野邦樹早稲田大学教授が小委員会での研究内容を報告。震災で被災、大規模一部滅したマンションで、マンション解体について全員合意がとれたものの、土地の処分についてはまとまらなかった事例を紹介。今後新たな制度設計が必要で、新たな方法についても、その言葉の定義から、判定の方法、一般法か特別法かなど、解消すべき課題が多数ある、と指摘した。
なお、委員会の今後の予定について委員長の折田泰宏氏は、「2012年5月に予定されている日本マンション学会北海道大会に向けて震災特別委員会の報告をとりまとめ、外部に提案をしていきたい」と述べた。