高齢者住宅経営者連絡協議会(会長:森川悦明氏、オリックス・リビング(株)代表取締役)はこのほど「高齢者住宅の入居一時金に関する提言~入居一時金の正しい理解のために~」をとりまとめ、発表した。内部に設置していた「入居一時金検討委員会」が検討を進めていたもの。
有料老人ホームでは、約6割で一時金方式を採用している。しかし、その入居一時金の返還金に係る苦情が多いとの指摘を行政や消費者団体から受けるようになってきたこと、2011年9月に東京都が「東京都有料老人ホーム設置運営指導指針」を改正し、「一時金」を「前払金」と言い換えた上で、「前払金が家賃等の対価であることに照らし、前払金の全部又は一部を返還対象としないことは、適切でないこと」と明記、初期償却は不適切との解釈に基づき、事業者の指導を行なうようになっていることなどを受け、一時金のあり方を中心に検討を進めていたもの。
入居一時金方式は長年の実績と一定の消費者支持があるが、その仕組みやメリット・デメリットについて事業者は消費者に明確に説明できるようにしなければならないとし、その上で一時金方式を採る場合は、初期償却・償却期間について根拠のある算出を行ない、消費者・行政に対し明確に説明すべきである、とした。
さらに、短期解約特例制度(短期間での解約の場合の一時金全額返還制度)の徹底や入居一時金の保全措置の多様化と実施、一時金以外に月払方式による支払い制度の実施や、介護一時金の廃止などについても提言に盛り込んでいる。
今後、国や地方自治体、関係各所、消費者に広くアピールしていく。
提言全文についてはこちらを参照。