


積水化学工業(株)は、太陽光発電(PV)とコミュニケーション型HEMS「スマートハイム・ナビ」を標準搭載した次世代住宅「スマートハイム」に、独自の全館空調システム「快適エアリー」、および家庭用蓄電池を組み合わせたモデルハウスを、埼玉県蓮田市の東京セキスイハイム工場内に完成。15日、報道陣に公開した。
非常時の自立運転、PVやHEMSとの連携など、蓄電池の具体的な運用についての実証実験のほか、ユーザーへのプロモーションを行なうため用意したもの。
同社は、蓄電池の実用化に向け、7月からモニター家庭での実証実験を全国で展開。その結果を踏まえ、4~10月の7ヵ月間で5,000棟を受注した「スマートハイム」の新たな付加価値として、来年度にも蓄電池を搭載・販売していく方針。
モデルハウスに搭載されている蓄電池は定置型のリチウムイオンで、NEC製。蓄電容量は6kWh。600wの電化製品を、連続10時間稼働させることができる。オール電化契約であれば昼間の3分の1となる深夜電力で充電を行ない、昼間使用電力が不足した場合、蓄電池から補い、非常用に残す電力以外は、夜間にかけ随時蓄電池から使用していくことで、買電量を減らし電気代を引き下げる。
また、非常時は自立運転モードへと切り替わり、ユーザー指定の電気製品に、自動的に電力を供給する。通常時・非常時とも、電力消費をHEMSによりリアルタイムで計測・表示。ユーザーに、さらなる省エネを喚起する。
蓄電池については現在、最終的な調達先、電池容量、マネジメント方法などの詳細を検討中で、価格についても決まっていない。ただし、「スマートハイム」については、「東日本大震災以後、住宅展示場を訪れたユーザーから、HEMSのより具体的な活用法につき、アドバイスを求められるケースが増えている」(同社住宅事業部企画部長・久宗弘和氏)など手ごたえを感じていることから、ファンサイトを通じたコンサルティングサービスや全館空調による快適性の遡及などにより、さらなる拡販を行ないながら、併行して蓄電池の本格導入体制を整えていく。