(株)矢野経済研究所は19日、マンション管理市場の調査結果を発表した。2011年10~11月にマンション管理事業者11社を対象にアンケートを実施、市場規模を予測・分析したもの。
10年度のマンション管理費市場規模(管理費ベース、修繕積立金除く)は、5,899億円(前年比2.9%増)。新築分譲マンションの供給が堅調であった09年までは年率5%以上の伸びだったが、リーマンショック以降、供給戸数の激減により、伸び率が急減した。今後も新築分譲マンションの供給が先細るため、市場規模の伸び率は鈍化。11年度の市場規模は6,077億円(同3.0%増)、12年度は6,290億円(同3.5%増)にとどまると予測する。
同社は、「市場の成長スピードが鈍化することから、マンション管理会社は既築マンションにおける管理会社の変更を獲得していく重要性が高まり、今後は価格競争に加え、サービスの品質を含めた総合力が重視される」と分析している。
なお、10年度のマンション管理会社の売上シェアは、上位10社で42.3%、上位30社で65%以上を占め、依然として大手管理会社への集中度が高くなっている。