東京都はこのほど、「木密地域不燃化10年プロジェクト」の実施方針を発表した。
同プロジェクトは、首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、東京最大の弱点である「木造住宅密集地域」の改善を一段と加速するため、2011年12月発表された「2020年の東京実行プログラム」に盛り込まれたもの。
実施方針では、防災都市づくり推進計画に定める整備地域(約7,000ha)のうち、不燃領域率を20年度までに70%に引き上げるほか、延焼遮断帯の形成を促進し、「燃え広がらないまち」を実現するため、整備地域における主要な都市計画道路の整備を20年度までに100%達成することを盛り込んでいる。
そのために、整備地域内で、地域危険度が高いなど、特に重点的・集中的に改善を図るべき地区につき、区からの整備プログラム提案に基づき、都が「不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)」に指定。不燃化助成の上乗せ、都税の減免措置、種地としての都有地の提供、事業執行体制確保のための支援など、特別の支援を期間を限定して実施する。
また、延焼遮断帯の形成を促進するため、整備地域における主要な都市計画道路につき、「特定整備路線」を指定し、特別の支援により整備を加速する。
不燃化特区については、都と区が連携して、3地区ほどを選定。8月にも先行実施する。12年度内に制度を構築。13年度から本格実施する。また、特定整備路線についても、12年度に対象路線を公表。13年度に同路線を指定し、事業実施する。