住友不動産(株)は31日、東京23区内で販売する新築分譲マンションと首都圏の大規模マンションに、間取りとインテリアカラーのセミオーダーメイドシステム「カスタムオーダーメイドマンション」を導入すると発表した。ユーザーの選択肢を大幅に増やすことで、満足度を高め、競合他社との差別化を図るのが狙い。
フルオーダーメイドなど一部物件を除き、新築マンションの多くは1住戸に対する間取りプランのバリエーションは2、3種類で、間取り変更可能期間は建物完成前までとなる。そのため、方位や階数、価格が希望にあっても間取り・インテリアカラーなどの満足度が低く、購入に結び付かないケースがあった。
同社の「カスタムオーダーマンション」システムでは、選択できる間取りバリエーションを、水回り位置の変更も含め最大13種類にまで拡大。さらにインテリアカラー3種類と組み合わせることができる。また、竣工時は壁・床とも下地仕上げまでにとどめることで、竣工後半年以内であれば水回り以外の間取り・インテリアカラー変更を無償で受け付けることを可能とした。
同システムは、2月から販売を開始する「シティテラス下目黒」(東京都目黒区、総戸数175戸)など6物件に導入。今年同社が首都圏で供給する約3,000戸の新築マンションのうち、1千数百~2,000戸を対象としていく予定。
31日に会見した同社代表取締役専務執行役員の小林正人氏は「ユーザーのマンション選びにおけるこだわりは年々強くなっており、生活に合った間取りが選べないことを理由に、ご購入いただけないケースが増えている。そこで、より多くのユーザーが納得できるマンション選びを実現しようと、ユーザーへの間取りに関するヒアリング等の結果も反映させて同システムを開発した。もちろん、コストは掛かるが、それを企業努力で吸収し、競合が激しくなる中で、当社に目を向けていただけるようにしたい」などと語った。