ヒューリック(株)は2日、2011年12月期決算と新中期4ヵ年計画を発表した。
当期(11年1月1日~12月31日)は、賃料収入の増加や販売用不動産の売却などが寄与し、連結売上高747億3,800万円(前年同期比122.3%増)、営業利益198億4,100万円(同29.7%増)、経常利益168億9,600万円(同36.2%増)と大幅増となったが、既存ビル建て替えに伴い、固定資産除却損など特別損失45億4,500万円が発生したことに加え、前期の合併に伴う負ののれん発生益の計上などで当期純利益は93億3,600万円(同▲19.2%)となった。
主力の不動産事業は、東京23区を中心に賃貸の建て替えを推進するほか、収益性の高い物件の取得やPPP事業など行なった結果、営業収益682億2,100万円(同123.7%増)、営業利益216億2,300万円(同24.6%増)を計上した。
なお、同社は同日付で、昭栄(株)との合併契約を締結したと発表。ヒューリックを吸収合併消滅会社、昭栄を吸収合併存続会社として吸収合併し、3月23日の株主総会で承認可決予定。それにより通期は新会社としての参考値を発表した。営業収益800億円、営業利益215億円、経常利益180億円、当期純利益95億円を見込む。
新中期4ヵ年計画も合併を前提に策定。同社は吸収合併消滅会社になるが、会計処理においては取得会社となる予定であるため、同社基準に計画を定めたもの。
賃貸事業収益の着実な増強、新たな事業領域の開拓による収益源の多様化、グループ総合力の強化と拡大などを基本戦略とし、4年後の15年には、営業利益250~280億円、経常利益210~240億円、当期純利益120~140億円を目指す。
3日に開催された説明会で、同社代表取締役社長・西浦三郎氏は「今後、貸事業をコアビジネスと捉えつつ、新たにCREビジネス、海外投資、ファンドマネジメント業務進出の準備を進めていく。また高齢者住宅やPPP事業の強化を図る。12年度で中期計画実行の土台をつくり、10年後には連結経常利益を300億円まで拡大したい」などと話した。