シービーアールイー(株)は14日、全国13都市の2012年のオフィスビル市場展望を発表した。
11年のオフィスビル市況は、全都市で空室率が低下した。好況期から継続していた大量供給がようやく落ち着いたこと、震災を契機として新築・築浅のハイスペックビルへのニーズが高まり、賃料調整の進展もあいまって、郊外から中心部への需要流入や自社ビルから高性能な賃貸ビルへの移転等、立地改善や機能向上を伴う集約・統合移転を行ないやすい環境が整ったことなどから、新規需要面積が6年ぶりに全国でプラス成長となった。全都市で空室率が改善したのは、5年ぶりのこと。
12年についても、東京を除く都市では新規供給の水準が低いことから、需給バランスへの影響は限定的とし、「足元では円高や不透明な欧州経済の影響からテナントの移転マインドが再び停滞する懸念も残るが、景気が後退局面に移行するといった事態がない限り、今後はほとんどの都市で緩やかに需給バランスが改善していくと推測される」と分析している。
東京については、12年に03年の水準に次ぐ30万坪超の供給が予定されるため、需給バランスは一時的に緩む可能性があるとし、「移転に対する企業マインドが11年と同様であれば、供給が落ち着く年後半には空室率は改善に向かうと期待される」と予測した。