国土交通省は22日、主要都市の高度利用地区の地価動向を調査した「地価LOOKレポート」(2011年第4四半期)を発表した。対象地区は、東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方圏32地区の計150地区。内訳は住宅系地区42地区、商業系地区108地区。
当期(11年10月1日~12年1月1日)の全体の地価動向は、上昇16地区(前回11)、横ばい70地区(同61)、下落64地区(同78)となり、上昇または横ばいを示す地区が86と全体の57%(同48%)となった。上昇または横ばいが過半数となったのは、08年第2四半期以来3年半ぶり。
その要因として、東京都湾岸部の住宅地で東日本大震災の影響が薄れたこと等により東京圏で上昇または横ばいを示す地区が増えたことや、マンション需要、駅周辺の大規模商業施設の開業等により地方圏で上昇または横ばいを示す地区が現れたこと、などを挙げている。
圏域別では、三大都市圏で上昇または横ばいを示す地区が前回より増加。東京圏では、横ばいが08年第2四半期以来3年半ぶりに最多の変動率区分に。また名古屋圏では「上昇」と「下落」の地区数がほぼ拮抗、圏域全体として地価に底打ち感が見られた。
用途別では、住宅系地区で上昇地区9(同5)、横ばい地区が22(同23)、下落地区が11(同14)に。東京都湾岸部の「豊洲」が東日本大震災前の10年第4四半期以来1年ぶりに上昇に転じたことや、札幌市「宮の森」がマンション需要により07年第4四半期以来4年ぶりに上昇を示したのが注目の動き。
商業系地区では、上昇地区7(同6)、横ばい地区48(38)、下落地区53(同64)といずれも改善。名古屋駅周辺の商業地地区が上昇または横ばいとなり、「名駅駅前」はビル建て替え・再開発などを背景に08年第1四半期以来約4年ぶりの上昇となった。