(株)一五不動産情報サービスは29日、「物流施設の賃貸マーケットに関する調査」(2012年1月)結果を発表した。延床面積または敷地面積が5,000平方メートル以上の賃貸物流施設を対象に、テナント入居状況・空室状況を、実地確認・ヒアリング調査したもの。四半期ごとに実施しており、今回の調査棟数は東京圏182棟、大阪圏44棟。
東京圏の空室率は3.7%(前期比1.7ポイント改善)。新規需要は16万4,000平方メートルで、新規供給の5万5,000平方メートルを大幅に上回った。
募集賃料は、1坪当たり3,990円(前期比2.0%増)と、2四半期連続の上昇となった。今後については、首都圏内陸エリアを中心に新規供給が本格化していることから受給バランスの逼迫感が長期に及ぶとは考えにくいものの、大規模物件の新規供給によって潜在的な需要喚起が期待できることから、賃料動向は底堅いと予測している。
大阪圏の空室率は1.2%で、2.4%の大幅改善となった。大阪圏の空室率低下は8四半期連続。プロロジスパーク高槻の竣工や複数のマルチテナント型物流施設で稼働率が改善、需給好転へとつながった。また築浅の大型物流施設の空室在庫が少ないが、新規開発の動きは鈍く、大量供給が発生する機運に乏しいことがうかがえ、空室率が低い状況はしばらく続くと見られる。
募集賃料は、1坪当たり3,180円(同▲0.6%)。築浅大型物件では需給改善が持続、賃料相場も明るい兆しが見てとれる。一方の中小クラスでは依然苦戦が続く物件が散見されることから、募集ベースでは軟調な水準が続く、と同社では分析している。