旭化成不動産レジデンス(株)は27日、小規模(30戸以下)マンション建替え事業の取り組みを強化すると発表。併せて、東京都渋谷区において、「宇田川町住宅建替え事業」を2月に着工し、「元代々木住宅建替え事業」を4月に解体着工する。
「宇田川町住宅」(住戸16戸、店舗・事務所1区画)は、敷地面積870.04平方メートル、鉄筋コンクリート造地上7階建て、1961年築の分譲住宅。同社は10年9月に区分所有者(17名)全員の合意を得て、建替え決議を成立させ、11年3月にはマンション建替え円滑化法に基づくマンション建替組合設立の認可を取得した。
鉄筋コンクリート造地上13階建て、住戸49戸(分譲住戸数30戸)、店舗1区画のマンションに建て替える予定。間取りは1DK~3LDK、専有面積は33.77~104.89平方メートル。13年9月竣工予定。
「元代々木住宅」(住戸30戸)は、敷地面積971.39平方メートル、鉄筋コンクリート造地上5階建て、1967年築の分譲住宅。10年12月に同社が事業協力者に選定された。同社による合意形成活動の結果、全権利者(30名)の同意のもと、建替え事業に着手。等価交換方式で、鉄筋コンクリート造地上6階建て、38戸(分譲住戸数14戸)のマンションに建て替える予定。間取りは1DK~3DK。専有面積は34.55~79.16平方メートル。13年9月竣工予定。
同社では、これまで都心の小規模マンション14件(竣工済み9件、着工済み2件、建築確認済み3件)の建替え実績を持つ。今後は、マンション建替え研究所による組合支援を強化し、建て替えの仕組みや、合意形成の進め方などをテーマにした勉強会を実施。特に負荷が大きい初動期のサポートを行ない、年間1、2件だった案件を15年度には4、5件に増やし、80億~100億円規模の売り上げを目指していく。
27日会見した同社取締役副社長開発営業本部本部長・進 政裕氏は「東京都内には3,200棟ほどの小規模マンションがあり、今後、建替え時期を迎える物件の増加が予想される。しかし、事業規模が小さいため、 ディベロッパーの参加は難しく、建て替えはあまり進んでいないのが現状。当社は、これまで培ってきた事業ノウハウを活かし、小規模マンションの建て替えに積極的に取り組んでいく」などと述べた。