


(株)ブルースタジオはこのほど、東京都目黒区のコンバージョンビル「B-Town 中目黒」を竣工。そのうち美術館棟を4日報道陣向けに公開した。
同物件は、東急東横線・日比谷線「中目黒」駅徒歩5分に位置する、2004年築、延床面積1251.12平方メートル、鉄筋コンクリート造地上3階建ての店舗・オフィスビルを、テナント棟(809.80平方メートル)・美術館棟(441.325平方メートル)からなる複合施設にコンバージョンしたもの。同社は企画・設計監理を担当した。
テナント棟は1階が店舗、2・3階が事務所。2階は入居済みで、1階にはアパレル関係のカフェが入居予定。
美術館棟では、昭和生まれの日本画家の作品を中心に展示する福島県郡山市の「郷さくら美術館」の別館として「郷さくら美術館 東京」が入居。既存建物の制約がある中、「精華」をキーワードに伝統的な要素を用いながら、絵画が主役となる現代的なデザインを採用。建物ファサードには、「郷さくら美術館」の紋様をモチーフにした1,100枚の素焼きの有孔タイルを積み上げて造作。同地の名所である目黒川沿いの桜並木と呼応するよう、印象に残る外観に仕上げた。
また、美術館の場合、バリアフリー新法が適用されるため、段差部分に昇降機を設置し、エレベーターも導入した。3月27日にすでにオープンしている。
同社執行役員・CSRE統括部ゼネラルマネージャーの石井 健氏は「既存物件を美術館に改装するのはレアなケース。最近では、個人のメセナ活動が活発化しており、今後も数は少ないが、各地でこういったニーズは生まれるとみている。今回の事例を活かし、有効な提案をしていきたい」と述べた。
工期は、2011年12月~12年3月。なお、オーナー、工費、賃料については非公開としている。