シービーアールイー(株)(CBRE)は18日、2012年第1四半期の首都圏および近畿圏大型マルチテナント型物流施設の市場動向を発表した。
当期の首都圏の空室率は、前期比0.7ポイント改善の4.5%。前期に引き続きコスト削減を背景とした統合移転や、消費財を扱う荷主を獲得した物流会社を中心に引き合いが見られ、3期連続の改善となった。11年竣工の大型物件や大手不動産投資会社保有の最新鋭施設が高稼働を維持、まとまった空室在庫は希少となっている。
近畿圏は、新規供給がない中、既存の1万坪以上の大型募集物件がすべて成約したため、一時的に既存施設の募集空室がゼロに。約3年ぶりの大型供給となるマルチテナント型物流施設の竣工を5月に控えており、これにより今後の需要を喚起する効果が期待できるとしている。
今後の見通しについて同社は、「最新鋭施設に対する需要が堅調で高稼働が見込めることから、各プレイヤーの開発意欲が旺盛。13年以降、新たに開発計画が発表される可能性がある。賃料水準については、品薄感から底を打っているが、今後の供給をにらみテナントが様子見のため、すぐに上昇に転じる局面にはならない」と分析している。